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非ルート・インストールの制限
ルート・インストールと非ルート・インストールの間の相違点に加えて、非ルート・インストールにはいくつかの制限があります。このトピックでは、非ルート・インストールを使用するかどうかの判断に役立てるために、これらの制限について説明します。
- 製品の制限
- 非ルート・インストールでは、以下の DB2® 製品はサポートされていません。
- フィーチャーとツールの制限
- 以下のフィーチャーとツールは、非ルート・インストールには使用できません。
- DB2 Administration Server (DAS) とその関連コマンド: dascrt、dasdrop、daslist、dasmigr、および dasupdt
- 構成アシスタント
- コントロール・センター
- 優先順位を高くするという db2governor の機能はサポートされていません。
- ワークロード・マネージャー (WLM) で、非ルート DB2 インスタンス中の DB2 サービス・クラスでエージェント優先順位の設定を試行できます。しかし、エージェント優先順位は守られず、SQLCODE エラーは戻されません。
- システム・リブート時の非ルート DB2 インスタンスの自動開始はサポートされていません。
- ヘルス・モニターの制限
- 以下のヘルス・モニターのフィーチャーは、非ルート・インストールではサポートされていません。
- アラートの発生時のスクリプト・アクションまたはタスク・アクションの実行
- アラート通知の送信
- パーティション・データベースの制限
- 非ルート・インストールでは、単一パーティション・データベースのみがサポートされます。データベース・パーティションをさらに追加することはできません。
- DB2 製品のリスト
- 非ルート・ユーザーとしての実行時に db2ls コマンドによって作成される出力は、ルート・ユーザーとしての実行時に作成される出力とは違います。詳しくは、db2ls コマンドのトピックを参照してください。
- DB2 コピー
- 非ルート・ユーザーごとに 1 つのみ DB2 製品のコピーをインストールできます。
- DB2 インスタンスの制限
- 非ルート・インストールでは、インストール中に DB2 インスタンスが 1 つ作成されます。追加のインスタンスを作成することはできません。
- インスタンス所有者のみ DB2 インスタンス・アクションを実行できる
- ルート・インストールと非ルート・インストールは、同じコンピューター上の別のインストール・パスに共存できます。しかし、非ルート・インスタンスを更新したりドロップ (db2_deinstall コマンドを使用) したりできるのは、非ルート・インスタンスを所有する非ルート・ユーザーのみです。
ルート特権のあるユーザーが作成した DB2 インスタンスを更新したりドロップしたりできるのは、ルート特権のあるユーザーのみです。
- DB2 インスタンス・コマンド
- 非ルート・インストールでは、以下の DB2 インスタンス・コマンドは使用できません。
- db2icrt
- 非ルート・ユーザーとして DB2 製品をインストールする際に、インスタンスが 1 つだけ自動的に作成されて構成されます。非ルート・インストールで、追加のインスタンスを作成することはできません。しかし、自動的に作成されたインスタンスを構成する必要がある場合は、非ルート・インストール構成コマンド db2nrcfg を使用できます。
- db2iupdt
- 非ルート・インスタンスには db2iupdt コマンドを使用できません。代わりに、非ルート DB2 インスタンスを更新するには、非ルート・インストール構成コマンド (db2nrcfg) を使用してください。しかし、非ルート・インスタンスは DB2 製品の更新時に自動的に更新されるので、通常は更新する必要はありません。
- db2idrop
- 非ルート・インストール中に自動的に作成されたインスタンスは、ドロップできません。DB2 インスタンスをドロップするには、DB2 製品をアンインストールしなければなりません。
- db2iupgrade
- 非ルート・インストールでは、アップグレードはサポートされていません。
- アップグレードの制限
- ルート・インスタンスを非ルート・インスタンスにアップグレードすることはできません。
- DB2 インスタンス所有者のみ、インストール後アクションを実行できる
- ルート・インストールと非ルート・インストールを同じコンピューター上に共存できます。しかし、DB2 製品をインストールした元の非ルート・ユーザーのみが、以下のような後続のアクションを実行できます。
- フィックスパックの適用
- フィーチャーの追加
- アドオン製品のインストール
- ulimit 値の調整
- UNIX® および Linux® 上で、ulimit コマンドは、データやスタックの限界値などのユーザー・リソースの限界値を設定したり報告したりします。ルート・インスタンスの場合、データベース・サーバーは永続設定を変更せずに、必要な ulimit 設定を動的に更新します。しかし、非ルート・インスタンスの場合、インストール中にのみ ulimit 設定のチェックを行えます。設定が不適切な場合は、警告メッセージが表示されます。ulimit 設定を変更するには、ルート権限が必要です。
db2rfe を実行して克服できる制限
非ルート・インストールに関する他の制限のうち、db2rfe コマンドを実行して克服できるものがあります。以下のフィーチャーと機能は、非ルート・インストールでは初期状態では使用できません。
- オペレーティング・システム・ベースの認証
- 高可用性 (HA) フィーチャー
- /etc/services ファイル中でサービス名を予約する機能
- ユーザー・データ限界 (ulimit) を大きくする機能。この機能は、AIX® のみに適用されます。他のプラットフォームでは、ユーザー・データの限度は手動で大きくしなければなりません。
これらのフィーチャーや機能を使用可能にするには、ルート・フィーチャーを非ルート・インストールで使用可能にするコマンド (db2rfe) を実行してください。db2rfe コマンドの実行はオプションで、ルート権限のあるユーザーが実行しなければなりません。
非ルート・インストールにおける認証タイプ
オペレーティング・システム・ベースの認証が、DB2 製品のデフォルトの認証タイプです。非ルート・インストールはオペレーティング・システム・ベースの認証をサポートしていないので、非ルート・ユーザーとして DB2 製品をインストールした後に db2rfe コマンドを実行しないことを選択した場合は、認証タイプを手動で設定しなければなりません。そのためには、データベース・マネージャー構成 (dbm cfg) ファイル中で以下のパラメーターを更新します。
- clnt_pw_plugin (クライアント・ユーザー ID パスワード・プラグイン構成パラメーター)
- group_plugin (グループ・プラグイン構成パラメーター)
- srvcon_pw_plugin (サーバーでの着信接続用のユーザー ID パスワード・プラグイン構成パラメーター)
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